エナメル質 象牙質 神経について教えてください


 

歯はエナメル質、象牙質、セメント質という歯の3つの硬い組織とそれに囲まれた歯髄から出来ています。エナメル質は、私たちの体の中でもっとも硬い組織で、水晶に近い硬さをしています。何百万本という半透明のガラス繊維のような小柱から出来ています。エナメル質は、あごの骨の中で完成されてからは、ほかの部分との栄養の交流も新陳代謝もありません。象牙質は、骨と同じくらいの硬さをした、丈夫で緻密さを持った組織です。象牙質には、細い管が無数に走っています。これは、歯髄と象牙質の境に配列された突起で、エナメル質の境まで届いています。歯を削った時やむし歯ができて痛むのは、この生きた細胞の突起から刺激が伝わるためです。セメント質は骨とよく似た組織で、基質とセメント細胞からできています。セメント質は、歯根膜の線維が小さな束となって入り込んでいます。線維の反対側は、歯槽骨の中にもしっかりと入り込んで、歯をあごの骨にハンモックのようにつるしています。神経(歯髄)は、血管や神経がたくさん通っているやわらかい組織で、歯の心臓部ともいえるところです。“神経を取る”というのは、この歯髄を取ることです。歯髄を取った歯は、痛みを感じることがないかわりに歯をもろくしてしまいます。



2016年05月10日